長崎県平戸市生月町博物館「島の館」

屋祓い

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 屋祓いとは信徒の家を祓いながら回る行事で、壱部、堺目、山田集落では正月に行われているが、行事内容は集落によってかなり異なる。また壱部、堺目、元触集落では葬式の後にも行われる。

 壱部集落岳の下津元ではゴジンキン、オジシと呼ばれているが、御巡見(検)御巡視が訛ったと考えられ、本来的には御前様が巡る行事だと思われる。回るのは御前様のお掛け絵、お水瓶、オテンペンシャ、オマブリを入れた袋を持った4人1組で、お水瓶とオテンペンシャを持った者が門口からミジリメンデというオラショを唱えながら素早く歩きながら屋外の井戸やヘヤ(隠居屋)の玄関などを祓い、母屋に上がって家の中を祓って最後に玄関から祓い出す。その間お掛け絵を持った者は玄関で待つ。一同座敷に座り、家人に家の人数分のオマブリを渡したのち酒肴をいただく。

 堺目集落では御名代と呼ばれるが、回るのはお水瓶、オテンペンシャとオマブリを各々持った2人の1組である。祓うときはまず最初に母屋の中柱の前に立ちオラショと唱える。
 最初に申し上げとデウスパイテロを唱え、その後キリアメマリアを連続して唱えながらお水を振り、歩き回りながら祓っていく。最後に母屋の玄関から祓い出すと、外に出てヘヤも同様に祓い、その後井戸やカマヤも祓う。祓い終わると座敷に上がり、オマブリを家の建物の数だけ配る。

 また子供がいる場合、お水で祓う「身の祓い」を行う事もある。その後接待を受ける。

 なお壱部、堺目とも、特定の家では「お休み」と言って、御神体を家が用意した二升舛の中に納め、升の横の蝋燭に火をともす。そうすると便所に立つことが出来るが、お休みがない家では御神体は懐に入れたままである。

 山田集落の屋祓いは、壱部や堺目と異なり1人で回る。最初に座敷に座り、蝋燭に火をつけて半座のオラショを唱え始め、途中で立ち上がり、お水瓶を持って母屋の四隅を特別な文句を唱えながら祓う。途中台所も特別な文句を唱えて祓う。母屋が終わると納屋等も同様に祓い、終わると座敷に戻り残りのオラショを唱える。その後酒肴の接待を受ける。

 

2019/12/17




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