野祓い

屋外で魔物が良く出る危険な場所は、三叉路や川を渡る所、大木や大石がある場所などと、大体決まっていた。そんな場所では人や牛が魔物に出会い、危険な目に遭う可能性が高かった。野祓いはこのような場所に、オマブリを納めたりお水やオテンペンシャ等で祓い清め、魔物の動きを封じようとする行事である。現在壱部や元触集落で行われている他、堺目集落でも最近まで行われ、山田集落でも特定の垣内は行っていた。
壱部集落では、かつては正月過ぎにも行われていたが、現在は春の六ヶ所寄り行事の際に行われている。オラショとお水で魂入れをしたオマブリ(竹管に詰めている)と煎り大豆を袋に入れて、役中2人がそれぞれお水瓶とオマブリの袋、オテンペンシャを持って決められた地点を回る。各地点では祈る事はなく、オマブリと大豆を目立たぬよう納め、お水をうちオテンペンシャで祓う。祓いに出ている間、宿では残った者がオラショを唱える。
元触集落では野立ちといい、親父役と御爺役が各々2人ずつ供の役中を連れて、受け持ちの場所を回る。祓うのは親父役または御爺役の役目で、特別なオラショを唱え、お水と塩で祓う。祓う場所には現在石の標柱が立てられ、不浄にならないようにしている。なお他に小場と辻とで交代でため池を回り、祈った後99個の団子とセシ(鯣)を池に供えるホガイマエを行っている。祓いに出ている間、津元に残った役中がオラショを唱えて待つ。
堺目集落では、山野を回る「まや追い出し」と、集落境を主に回る「大構え」が1月6日に行われていたが、現在は廃止されている。午前中のまや追い出しは、2名がお水瓶と、オテンペンシャとオマブリを各自持ち、各地点でキリアメマリアを唱えつつお水を打ち、オテンペンシャで祓い、オマブリを納める。回る最後は、番岳の西側の山中にあるムタンカシラと呼ばれる場所の祠で、お水瓶とオテンペンシャを一旦納めて六巻を唱える。昼に焼山の御堂に帰ると、今度は着物に着替え、同様の形で大構えに出かける。集落境の石などを祓って回り、最後に野田の坂の途中で中江ノ島に向けて六巻を唱える。
山田集落では、日草3垣内だけが野祓いを行っている。大晦日に小竹を組み合わせた小さな十字架を作り、オラショとお水で魂を入れ、正月中に牧野などの決まった場所に納めるが、祈りや作法は特にないという。
2019/12/17









